沖縄県は18日、米軍嘉手納基地と普天間飛行場の両飛行場の2023年度の航空機騒音の測定結果を公表した。
嘉手納・普天間周辺の計11局で環境基準値を超過した。航空機騒音規制措置(騒音防止協定)に反する夜間・早朝の航空機騒音発生回数も増加が目立った。県はこの日、沖縄防衛局や在日米軍、在沖米国総領事館などに対し、合意の厳格な運用や実効性のある軽減措置をとるよう求めた。
日米両政府が定めた騒音防止協定で夜間・早朝(午後10時から翌午前6時まで)の飛行は制限されている。しかし、前年度と比較可能な測定局のうち、嘉手納周辺の21局中16局、普天間周辺の12局中12局で夜間・早朝の飛行機騒音発生回数は増加した。最大は嘉手納町屋良A局の月平均166・2回で前年度より月32・3回増えた。
騒音指標Lden(エルデン、時間帯補正等価騒音レベル)でみると、環境基準を超えたのは、嘉手納周辺で19測定局中9局(前年度20局中8局)。最大値は北谷町砂辺局の69デシベル(基準値62デシベル)だった。普天間周辺は11測定局中2局(前年度12局中1局)で基準を超え、最大値は宜野湾市上大謝名局の62デシベル(基準値57デシベル)だった。
県は18日、照屋義実副知事が沖縄防衛局や在日米軍、在沖米国総領事館などを回り、「昼夜を問わない騒音や排気ガスの発生は県民の生活環境に大きな影響を与えている」として対策を要請した。
在日米軍沖縄地域事務所のウェイン・フィッシャー次長は「懸念は十分に理解する。騒音軽減のために努力しており、今後とも可能な限りの措置を講じていきたい」と回答したという。
要請後、報道陣の取材に応じた照屋副知事は「約束事が破られていることは無視できない」と語った。騒音の悪化については「沖縄をめぐる軍事環境が厳しくなってきていることの表れだ」と分析した。
(南彰)