宮崎空港の誘導路で2日に爆発した不発弾は、爆発を遅らせる「超延期信管」と呼ばれる爆弾の可能性が指摘されている。同様の爆弾はアジア太平洋戦争中に沖縄にも落とされ、1995年には宮古島市の民家で地中の不発弾が爆発する事故が起きた。この事故では爆発の4日前に震度3を観測した地震の震動で、時限式の延期信管が反応したことが原因とされている。
沖縄の陸上自衛隊第1混成団で不発弾処理を担った元自衛官で、NPO法人「沖縄の不発弾等を考える会」理事長の宇良一成さんによると、超延期信管は1時間から144時間以内で爆発する爆弾で、米軍が飛行場への爆撃などに使ったという。
1944年、沖縄では住民を動員して次々に飛行場建設が進められた。大本営は、沖縄近海の米軍艦船を攻撃するため、沖縄を「不沈空母」にしようとした。沖縄に上陸した米軍は飛行場を拡張整備し、本土爆撃の拠点として使った。宇良さんは「米軍は使用を念頭にしていたからか、沖縄では延期信管をあまり使っていない」としつつも、宮古島のように時間がたっても振動などで爆発する懸念があるとした。
沖縄戦で投下された弾薬は約20万トン。約1880トンが県土に埋もれているとみられ、住民を避難させての不発弾処理もたびたび行われるなど、今も県民の生活は不発弾に脅かされている。
(中村万里子)