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「聴覚過敏」「カメムシ」を深掘り 宜野湾中、うんな中の生徒が全国発表会で大賞 沖縄高専生がサポート


「聴覚過敏」「カメムシ」を深掘り 宜野湾中、うんな中の生徒が全国発表会で大賞 沖縄高専生がサポート サイエンスカンファレンス2024で研究発表大賞を受賞した(右から)田中華深さん、渡邉智也さん=5日、名護市の沖縄高専
この記事を書いた人 Avatar photo 池田 哲平

 科学技術振興機構(JST)が主催し、小中高校生が日ごろの研究成果を発表する「サイエンスカンファレンス2024」が10月13、14の両日開かれ、沖縄工業高等専門学校が指導した宜野湾中3年の田中華深(かふか)さん(14)、うんな中3年の渡邉智也さん(15)が小中の部で研究発表大賞を受賞した。

 沖縄高専は文科省から次世代科学技術チャレンジプログラム(STELLAプログラム)の委託を受け、「美ら海から学ぶ未来のリーダー養成塾」を2023年に開講した。沖縄高専の学生がメンターとなり、小中学生の研究をサポートしてきた。

 養成塾では、第1段階で40人が幅広く科学に触れ、第2段階では選ばれた10人が研究を深掘りした。田中さん、渡邉さんは10人の中から、さらに選出されてサイエンスカンファレンスに出場。18大学、6高専、2研究所の計26機関から出された46件の研究のうち、大賞の11件に選ばれた。

 田中さんは聴覚過敏があり、ピアノの音色で自身が不快さや違和感を抱く「イヤ度」を数値化して科学的な要因を研究。ピアノ特有の「うなり」や、周波数の関係などについて発表した。田中さんは「聴覚過敏で悩む子に向けて、不快に感じる音をカットするデジタルイヤホンをつくりたい」と語った。

 渡邉さんはカメムシの仲間の「ヒメトビサシガメ」が、図鑑などで草地に生息するとされているが、水辺に多く生息していることに着目。水辺の環境で生息できる「収斂(しゅうれん)進化」をした可能性について発表した。渡邉さんは「工学などにも興味があるので、研究とロボットを組み合わせるなど、もっと調べていきたい」と話した。

 (池田哲平)