米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設を巡り、玉城デニー知事は23日、沖縄防衛局が工事進捗のために計画している大浦湾側に生息する約8万4千群体のサンゴ類採捕(移植)を許可した。
採捕を巡っては、国から23日までに許可するよう「指示」を受けていた。従わなかった場合は、国が県に代わって強制的に手続きを行う「代執行」に向けた訴訟を提起する見込みだったが、サンゴ採捕を巡る訴訟で最高裁が県の上告を受理せず、県の敗訴が確定していることなどから、県は許可する方向で調整を進めていた。
最高裁の決定について玉城知事は「司法が何らの具体的判断も示さずに門前払いをしたことは、極めて残念だ」としていたが、国は1月、辺野古沖での工事に着工。県は環境保護の観点から移植を許可せざるを得ないと判断したとみられる。
県は2021年も最高裁判決で敗訴し、約4万群体のサンゴ移植を沖縄防衛局に許可している。