那覇市長、給食費「慎重に対処」 県無償化、事務調整なく 沖縄


那覇市長、給食費「慎重に対処」 県無償化、事務調整なく 沖縄 那覇市役所(資料写真)
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 【那覇】県が中学校の給食費を無償化する市町村に対して費用の半分を負担することを発表したことについて、知念覚那覇市長は4日の定例会見で「合意形成や事務調整が一回もない」と批判し、「制度設計を吟味する必要があるので慎重に対処したい」と指摘した。同事業を巡っては各市町村と事務調整なく発表した経緯に批判が相次いでいるため、県市長会は5日に臨時会を開き、同事業に対する意見をまとめるという。

 知念市長は、無償化対象を中学生に限定したことについて、不平等感をなくすためには「小学生を含めないとおかしい」と批判した。また、就学援助制度利用者の給食費が無償化事業の対象外になり、引き続き市町村が負担する仕組みを疑問視した。

 市学校給食課の試算では、2024年度の中学校給食費は5億4548万円で、そのうち市が負担する就学援助制度分は1億4270万円。無償化に取り組んだ場合、負担額は県が2億563万で、市は同制度分を上乗せした3億3985万円になるため、知念市長は「(自治体の負担が)半分という言葉で片付けては困る」と強調。各市町村で財政状況が異なるため「皆ができる制度設計を作ることが重要だ」と述べた。 

(嘉陽拓也)