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沖縄防衛局、辺野古くい打ち「試験」着手 サンゴ損傷認める


沖縄防衛局、辺野古くい打ち「試験」着手 サンゴ損傷認める 杭を海中へと沈めるクレーン船=8日午後、名護市の大浦湾
この記事を書いた人 Avatar photo 明 真南斗

 米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設で、沖縄防衛局は8日、大浦湾北側のA護岸工事に関するくい打ち試験に着手した。これまでも関連作業を続けていたが、試験自体はしていなかった。試験のため大浦湾に停泊しているクレーン船が、アンカーをつなぐチェーンで移植対象の大型サンゴに傷を付けた。防衛省は試験の作業に関連して大型サンゴを損傷させたことを認めた。

 玉城デニー知事は8日、声明を発表し「試験とはいえ、工事の内容や環境に与える影響を踏まえると、通常、工事の着手とみなされる」と指摘した。県は同日、護岸工事に関する事前協議の5次質問を防衛局に送付。協議が調うまでの工事中止を改めて求めた。

 防衛省はサンゴの損傷を4日に発見した。作業を一時中断したが、8日に再開。アンカー設置位置を誤ったことが要因とみて、今後はサンゴの位置をよく確かめることや十分な距離を保つよう業者に周知した。取材に「専門家に確認したところ、サンゴ類への影響は大きくなく、移植を進めて問題ないとのこと」と述べ、移植推進の方針を示した。

 県は損傷の程度や移植への影響などを確認中で、損傷したサンゴの移植の一時中断を求めている。 

(明真南斗まとめ)