名護市辺野古の新基地建設を巡り、埋め立て工事の土砂を搬出する本部町の本部港塩川地区のベルトコンベヤーについて、県北部土木事務所が6月に名護市安和で発生した死傷事故の原因が究明され、安全対策が講じられるまでは使用しないことを条件に、事業者に8月の使用を許可したことが29日分かった。
塩川地区のベルトコンベヤーは、辺野古の新基地建設における土砂搬出のために設置され、コンベヤーの使用申請・許可は1カ月ごとに行われている。
県によると、8月の使用申請について、申請内容が従来と特に変更点がなかったことや、港湾施設利用者に対し、不平等な取り扱いをしてはならないことが定められている港湾法などに基づき、26日付で許可したという。
県は許可した一方、6月28日に土砂搬出に市民が抗議している名護市安和の安和桟橋の路上で、ダンプ車と衝突した男性警備員ら2人が死傷した事故について、「県としても懸念をしている」と説明。8月の本部港塩川地区におけるベルトコンベヤーの使用に当たっては「当該事故原因が究明され、国による安全対策が講じられるまでの間は普天間飛行場代替施設建設事業に関連する設備使用を中止すること」という条件を付した。
事故を受け、国は現在、安和桟橋と本部港塩川地区からの土砂運搬作業を中断している。
(與那原采恵)
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