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二つの護岸、近く着工へ 辺野古サンゴ移植前にも 沖縄


二つの護岸、近く着工へ 辺野古サンゴ移植前にも 沖縄 環境監視等委員会に臨む委員ら=31日、那覇市内のホテル
この記事を書いた人 Avatar photo 知念 征尚

 名護市辺野古の新基地建設工事について有識者から助言を得る環境監視等委員会の会合が31日、那覇市内で開かれた。大浦湾側でサンゴ類の移植終了前に、二つの護岸工事に着手することを前提としたサンゴ類への影響をシミュレーションした結果が新たに示され、いずれも「生息環境は維持される」と結論付けた。近く着手する方針だ。一方、5月に移植したショウガサンゴ7群体の全てで欠損が確認され、うち1群体は生存部が確認できない状況となっていることが報告された。

 新たに着手方針を示したのは米軍キャンプ・シュワブから大浦湾側に伸びる「N1」、「N2」と呼ばれる護岸と海上から土砂を陸揚げする場所「揚土場」だ。いずれの工事を実施しても、サンゴ類分布場所の水の濁りは環境保全目標値(1リットル当たり2ミリグラム)を下回ると結論付けた。

 サンゴ移植と工事を並行実施することを巡っては、くい打ち試験を行う作業船のアンカーチェーンが大型サンゴを傷つける事案が起きたばかり。

 一方、ショウガサンゴは当初、8群体の移植が計画されていたが、移植前に1群体の死滅が確認されたため、7群体の移植を実施した。7群体の全てで移植後に損傷が確認され、2群体は基部のみが残る著しい損傷を受けているという。防衛局は「魚類による食害の可能性が高い」と説明。生存部が確認されなかった1群体は、1カ月間観察した上で死滅したかを判断する。

 (知念征尚)