公務員受験者の減少は全国で話題になっている。キャリア官僚と呼ばれる国家公務員総合職で言えば、長時間労働や業務量過多、パワハラで疲弊したイメージがある。公務員は年功序列がかっちり組まれているため、若い世代の給与は、仕事に見合ったものになっていない場合がある。一方で民間企業は人手不足から給与を上げており、若い世代にとって民間が魅力的に映る。
沖縄での公務員人気は一定程度残っている。県外と比べ、県内は民間企業の力がまだ弱く、大企業も少ない。沖縄における公務員志望者の減少は、一概に県内企業の力が付いたからとは言えない。若い世代のワークライフバランスを重視する意識要因や長期的な人口減少など、いろいろな要素が絡んでいる。
県職員には県行政の方向性を決める重要な役割があり、優秀な人材が必要だ。待っていても学生は来てくれない。民間企業も人手不足で採用活動に必死だ。民間との競合はますます厳しくなる。公務員として働くことの魅力をいかにして伝えるか、手法を改めて考える必要がある。
同時に職場での働き方改革も不可欠だ。限られた財政の中、公務員の一人当たりの業務量は増えている。市民と協力しながら、一緒に課題解決を図る「市民協働」の取り組みも必要だ。
(労働経済学、談)