prime

選挙の争点は? 国政・県政の評価は?<衆院選2024沖縄 政党座談会>詳報1/4


選挙の争点は? 国政・県政の評価は?<衆院選2024沖縄 政党座談会>詳報1/4 国会議事堂
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

15日公示、27日投開票の衆院議員選挙に向け、琉球新報は10日、県内政党の代表者ら9人を招いた座談会を開き、総選挙の意義や争点を議論した。与党の自民、公明は連立政権による安定した政権運営の必要性を強調した。立民や共産、社民、社大の「オール沖縄」勢力のほか、維新、れいわ、参政の国政野党は自民派閥の裏金問題や統一教会問題などによる政治不信の高まりを指摘した上で、政権交代の必要性を訴えた。安全保障政策や国政評価を巡って意見が分かれた。(文中敬称略)

国守るのは自公政権 自民 花城氏
政権交代かけた選挙 立民 屋良氏
離島格差の解消争点 れいわ 山川仁氏

 ―選挙の意義と争点、選挙戦にどう臨むか。

 花城(自民党県連幹事長) 新しい資本主義の考え方に基づく経済再生、地方創生、防衛力の抜本的強化、能登地震復興などあらゆる政策の成果を訴えていく。国を守り、成長を力にできるのは自公政権しかない。

 屋良(立憲民主党県連副代表) 裏金隠し解散だ。脱税の疑いもある国会議員が許され、国民には増税を続ける。裏金脱税の不正義を覆い隠す政治か、国民のためのまっとうな政治かを選ぶ政権交代をかけた選挙だ。

 山川泰(日本維新の会県総支部幹事長) 政治腐敗を浄化する政治改革を行う選挙だ。議員特権可視化を行う。国会議員報酬と定数削減を訴える。消費税、所得税、法人税を減税し可処分所得を倍増させ、経済を成長させる。

 上原(公明党県本代表) 課題山積の難局を打開できるのは自公政権だと訴える。最大のポイントは政治改革だ。公明党は政策活動費廃止を重点に掲げた。政治への信頼回復に取り組む政党はどこか問われる。

 赤嶺(共産党県委委員長) 統一教会や裏金問題をあいまいにしたままの解散総選挙は暴挙だ。大事なのは民意を国会で主張できる政治家を選ぶことだ。辺野古問題や米兵性暴力問題、南西諸島問題などを訴える。

 山川仁(れいわ新選組県第4区総支部長) 経済政策、離島格差の解消、南西シフト問題が争点だ。消費税廃止、物価高対策給付金に加えて保育や介護、教育の無償化が必要だ。緊縮財政ではなく経済成長に転換する。

 新垣(社民党県連顧問) 岸田政権は数の力で重要法案を閣議決定で決めた。県民を無視した政権を石破首相が引き継いだ。裏金、統一教会問題を予算委員会で審議しない。こういう政治を変えていく選挙だ。

 和田(参政党沖縄1区国政改革委員) 所得が上がらない中でGDPが下がり日本が貧乏になった。自民政権がやったことだ。状況を変えるために減税と積極財政が必要だ。明日の沖縄を発展させる人材を育てていく。

 高良(社大党委員長) 石破政権は判断基準を示さなかった。岸田政権はどうだったのか。軍事化が沖縄に押し寄せている。政府の行為で再び戦争の惨禍が起きないように、国民、県民が判断すべきだ。

健闘を誓い合う県内政党代表者ら=10日、那覇市泉崎の琉球新報社(大城直也撮影)

軍事偏重は問題だ 社大 高良氏
平時取り戻し評価 自民 花城氏
国政は多くを実現 公明 上原氏

 ―国政、県政の評価を。

 赤嶺 県政は沖縄を再び戦場にさせない平和外交を貫いている。日本が戦争へ突き進んでいる中で非常に大事な政治だ。国政は憲法9条を投げ捨て、犠牲が当たり前の社会をつくっている。

 山川仁 国政は能登半島地震の補正予算要求や消費税減税などを無視し続けている。県政は公約実現率が高く、堅実に成果を上げている。2期目も県民との約束を果たしてほしい。

 新垣 岸田政権では国民の思いをくまない政治が続いた。軍拡増税など国民の負担増の一方で復興対策が取られていない。県政は基地問題など沖縄が抱える課題に真摯(しんし)に向き合っている。

 和田 岸田政権での「令和の所得倍増」や「異次元の少子化対策」などは予算も相当少なかった。一方で米国隷属がさらに強まった。自立した日本をつくる意味では政権交代が必要だ。

 高良 軍事偏重の政策が続き、改憲が進むような切羽詰まった状況が問題になっている。県政は平和地域外交をしっかり進めている。アジア地域で理念を広めることができる。

 花城 知事公約はほとんど達成されていない。辺野古基地は遅らせることに終始、給食費無償化などほとんどが置き去りだ。国はコロナ禍から平時の生活を取り戻し、評価されるべきだ。

 屋良 国政は特定の利害団体のための政治になっているのでは。沖縄政策では財政民主主義を無視。県政は誰一人取り残さない政策に取り組み、基地問題では政府に毅然(きぜん)と向き合っている。

 山川泰 裏金問題は民間であれば明らかに犯罪だ。国会議員の多くは不起訴で真相究明は進まず説明責任を果たせていない。日本維新の会は政治改革大綱を策定して政治の腐敗を浄化する。

 上原 国政は多くの政策を実現している。県政は基地問題の裁判で主張が一度も通らず、司法の場での解決は大変難しい。過重な基地負担の解決や沖縄振興は国との信頼構築が必要だ。

【出席者】
花城大輔氏(自民党県連幹事長)
屋良朝博氏(立憲民主党県連副代表)
山川泰博氏(日本維新の会県総支部幹事長)
上原章氏(公明党県本代表)
赤嶺政賢氏(共産党県委委員長)
山川仁氏(れいわ新選組県第4区総支部長)
新垣邦男氏(社民党県連顧問)
和田知久氏(参政党沖縄1区国政改革委員)
高良鉄美氏(社大党委員長)
司会 新垣和也(琉球新報社政経グループ長)