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「繁殖力がすごい」宮古島で野生化したクジャク1110羽 農家ら長年被害 23年度捕獲数が最多 沖縄


「繁殖力がすごい」宮古島で野生化したクジャク1110羽 農家ら長年被害 23年度捕獲数が最多 沖縄 クジャク(イメージ)
この記事を書いた人 Avatar photo 友寄 開

【宮古島】宮古島市内で野生化した外来種のインドクジャクの捕獲数が2023年度は1110羽に上り、記録が残る07年度以降で最多となったことが10日までに分かった。市や猟友会が捕獲し、統計をまとめた。同市ではインドクジャクがカボチャや葉タバコ、イモなどを食べる被害が長年続き、農家を悩ませている。23年度は計約1ヘクタールの農地で約74万8千円に相当する被害が出た。市は、捕獲を担う猟師の人数を増やすなど対策強化が要因で捕獲数が増えたと指摘し、生息数は減少傾向に転じていると分析している。

設置された餌をついばむインドクジャク=3月26日、宮古島市(宮古ボーリング調査提供)

 インドクジャクは元々、インドやその周辺国に生息し雑食。宮古島へは、観賞用として持ち込まれたとみられる。市内の複数の教育施設などでも飼育されていたが、台風で飼育小屋が壊れて逃げ出すなどして野生化したという。

 農作物への被害に加え、絶滅危惧種で県の天然記念物にも指定されているミヤコカナヘビなどの在来種も捕食し、生態系にも大きな影響を及ぼしている。

 市の資料によると、07年度に捕獲したクジャクは30羽だった。年々増加し11年度には180羽まで増加。その後は増減を繰り返しながらも、18年には369羽を捕獲した。

 対策初期の07年度から数年は、畑などに仕掛けた捕獲器が大きな効果を上げた。しかし、クジャクの警戒心を高めたことで捕獲率が減り、現在は猟銃による駆除が主流。希少種への影響も踏まえ、市が対策を強化した19年度以降、卵やひなも対象に、捕獲数は大幅に増加してきた。

 猟師らによると、活動中に目撃する数は減っている。市の担当者は「猟友会の活発な活動のおかげで23年度に捕獲数が最多となった。しかし、クジャクの繁殖力はすごいので、手を抜くことなく、対策を進めていきたい」と話した。 (友寄開)