「1分1秒を争う救助」 アクセル踏み間違いで海に転落、高齢者を救出 5人に感謝状 沖縄


「1分1秒を争う救助」 アクセル踏み間違いで海に転落、高齢者を救出 5人に感謝状 沖縄 人命救助感謝状の贈呈式に出席した(前列右から)川崎さん、高橋さん、新井さん、當真さん=7日、恩納村の金武地区消防衛生組合恩納分遣所
この記事を書いた人 Avatar photo 武井 悠

 【恩納】金武地区消防衛生組合(管理者・仲間一金武町長)は7日、ブレーキとアクセルの踏み間違いで海中に転落した軽乗用車から運転手の80代女性を救出した、恩納村のホテル「ザ・ムーンビーチミュージアムリゾート」のスタッフ5人に人命救助感謝状を贈った。同組合によると、女性は軽傷で命に別条はない。

 感謝状を受け取ったのは川崎一さん(58)、大木誠治さん(47)、高橋丈一郎さん(25)、新井健太さん(48)、當真浩さん(60)。事故は7月24日午前9時10分ごろに起きた。5人によると、軽乗用車は縁石や車にぶつかりながら5人のそばを通り、海に落ちた。5人は台風3号の対策作業で前兼久漁港に着いた直後で、周囲には他に誰もいなかったという。

 事故直後、大木さん、高橋さん、新井さんが海へ入って女性の救出に向かい、「助けるから落ち着いて」と窓越しに声をかけながらシートベルトを自力で外すよう促した。左後部のドアを開けて救出体制を整えた後、最後部のハッチバックドアを開けて女性を救出し、陸地に泳いで戻った。川崎さんと當真さんは近くの船から車を引っ張って沈まないようにしたり、消防へ救助を求めたりするなど、5人で連携した。

 5人は普段、マリンスタッフとして働いている。代表してあいさつした川崎さんは「1分1秒を争う救助だった。女性が助かって幸いだ」と胸をなでおろした。同組合消防本部の山内明政消防長は「5人のチームワークは消防隊員の手本となる。指揮統制が取れて、機転を利かせた活動で感心するばかりだ」とたたえた。 (武井悠)