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34歳のベテラン「まだまだ上に」 男子水球GKの棚村克行 <パリへ挑む沖縄県勢>


34歳のベテラン「まだまだ上に」 男子水球GKの棚村克行 <パリへ挑む沖縄県勢> 高校生らと共に練習をする棚村克行(後列左)=2022年8月上旬、那覇商業高校室内プール(喜瀨守昭撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 古川 峻

 リオから東京、パリへと3大会連続の祭典へ。32年ぶりの出場となったリオ五輪から、水球の男子日本代表は着実に力を付けている。東京五輪は予選リーグで敗退した。長年、代表をGKとして支えてきた守護神は「代表として出場することが目的じゃない。勝たないとダメ」とパリでの決勝リーグ進出を目標に据える。

 2023年、オーストラリアのチームUNSW Wests(シドニー)から「優勝するために必要だ」と声がかかり、初めて海外リーグに参戦した。プロリーグがない日本と異なり、毎週のように試合があり、1点を争う緊迫した試合が続いた。「この緊張感を経験できたことが最大の収穫だった」と振り返る。チームのリーグ優勝に貢献した。

 日本代表では、若手の台頭も刺激になっている。五輪出場権を懸けた昨年9~10月の杭州アジア大会は、日本が圧倒的な力を見せて53年ぶりに優勝した。決勝のGKは若手選手が起用されたが、脅威には感じていない。「自分が一番うまいと思っている」と自信たっぷりに語る。

 今年は2月に世界選手権、春にはワールドリーグがある。その後、五輪の代表選手が絞られる。パリ五輪の先も見据え、オーストラリアよりもさらにレベルが高い、ヨーロッパのリーグへの挑戦も目指している。34歳のベテランは「年齢を重ねるごとに動きがよくなっている。まだまだ上に行ける」と向上心が尽きない。 
(文・古川峻、写真・喜瀬守昭)


 たなむら・かつゆき 1989年8月3日生まれ。母が石垣市出身で、石垣市で生まれた。明大中野中―同高―筑波大出、ブルボンKZ所属。16年リオ、20年東京の五輪代表。