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失敗に戸惑いと落胆 比嘉、チームARへ前向く パリ五輪アーティスティックスイミング


失敗に戸惑いと落胆 比嘉、チームARへ前向く パリ五輪アーティスティックスイミング チームFR 演技する日本=パリ郊外
この記事を書いた人 Avatar photo 古川 峻

 自信を持って泳いできたチームFRを終えた比嘉もえ(井村ク)は、やりきった顔でプールから上がり、仲間と手をつないで採点を待った。期待を抱いたが、採点結果が出ると表情は一転し、落胆の色が浮かんだ。「完璧に泳いだつもりだった」。大減点が1カ所あった。

 かみ合わない状態で臨んだ本番初日と違い、この日は良い流れと雰囲気で練習を積めた。吉田萌主将の「(演目のテーマの)『チェス』を泳ぐのは最後になる。自分と仲間を信じていい顔で泳ぎましょう」という言葉を体現できた。

 だが、失敗と見なされたのは、比嘉が土台になり、佐藤友花(ジョイフルアスレティックク)が他の選手を飛び越えるリフト技だ。比嘉は「練習では絶対失敗しないところだった。よりによってここで」と戸惑いを隠しきれなかった。佐藤は泣き崩れてプールを後にした。

 比嘉は会場に足を運んだ家族と本番直前の練習のときに偶然会い、安心することができた。8日のチーム・アクロバティックルーティン(AR)へ「まだ表彰台に上がれない順位ではない。私たちができるベストな難易度を持ってきたつもりだし、完璧な演技をして笑顔で終わりたい」と前を向いた。