米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設で、大浦湾側の軟弱地盤改良工事に向けた設計変更申請の承認を巡り、福岡高裁那覇支部が玉城デニー知事に対して25日までに承認するよう命じたことについて、玉城知事が期限内に承認しない公算が大きいことが21日分かった。承認しなければ、斉藤鉄夫国土交通相が承認を代執行する流れになる。
知事は肺炎で21日に入院。県関係者によると同日までに承認するかどうかについての知事の意思は伝えられておらず、承認に向けた作業は進められていない。期限最終日の25日に判断が示されると想定される。県関係者は「ここまで来て承認することは考えづらい」とした。
承認しなかった場合、県は最高裁に上告する流れになるが、知事の判断は示されていない。
22日には副知事らと県議会与党代表者が、今後の対応について協議する予定。
玉城知事が期限内に承認しなかった場合、本来は知事の権限である公有水面埋立法の設計変更申請の承認を、知事に代わって国交相が行う。設計変更申請を巡って、国交相は2022年に県の不承認を取り消し是正の指示を出していることから、「代執行が可能となれば即日承認の可能性がある」(県関係者)との見方がある。
国交相が知事に代わって承認すれば、大浦湾側の工事は法的に着手可能な状態となる。
軟弱地盤の改良は、海底に7万本以上の砂ぐいを打って地盤を固める工事となるが、防衛省関係者によるとそれに先だって護岸の延長や海上ヤードの造成が行われる見込み。