米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に関する代執行訴訟で、福岡高裁那覇支部が県に命じた設計変更の承認の期限である25日を迎えた。玉城デニー知事は大葉性肺炎で入院中だが、リモートでの協議などを重ねた上で、25日中に承認しないとの意思表明をする見込みだ。
期限前日の24日、溜政仁知事公室長や辺野古新基地建設問題対策課の職員らが、国との法廷闘争で県側を支えてきた辺野古訴訟支援研究会の行政法学者らからオンラインで意見を聞いた。
20日の高裁判決は県が承認しないことは地方自治法で定められた代執行の3要件に該当すると判示した。行政法学者らからは、裁判所の要件の判断に問題があるといった指摘や「上告すべきだ」などの意見が出たという。対策課が内容を整理し、25日に玉城知事に報告する。
知事が期限内に承認しなければ、国交相が承認を代執行することになる。代執行は28日にも行われるとみられ、設計変更に伴う大浦湾側の着工は来年1月中旬以降になる見込みだ。
県は高裁判決を不服として、最高裁への上告を検討している。ただ、代執行されれば工事は始まり、県が最高裁で逆転勝訴しない限りは工事を止めることはできない。
逆転勝訴が確定した場合、知事は3カ月以内に承認を取り消すことが可能となる。上告の期限は27日。
(沖田有吾)