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<知事一問一答> 手だてなくなったわけではない 大浦湾側の工事着手を受け 辺野古新基地


<知事一問一答> 手だてなくなったわけではない 大浦湾側の工事着手を受け 辺野古新基地 大浦湾側の工事着手を受け、記者団の取材に応じる玉城デニー知事=10日午後4時46分、県庁
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

辺野古新基地建設の大浦湾側の工事着手を受けた玉城デニー知事の会見の主なやり取りは以下の通り。
 ―見解を。
 「協議は行われていない。県の考えについて何ら理解を示してもらえない中での工事着手は、はなはだ遺憾だ」
 ―官房長官や防衛相に今後求める対応は。
 「国交相が承認した時から今日まで、防衛相は沖縄に来る時間を作ることができたと思う。防衛省側の『真摯(しんし)な対応』がわれわれが求める対応と違うなら、非常に県民の民意を軽視している。政府の真摯な姿勢を丁寧に説明するなら面会の機会を積極的に求めてほしい」
 ―官房長官は海上ヤード作業を協議の対象外としたが、県の見解は。
 「本当に事前協議の対象とならないか、法律との関係もあり丁寧に確認をとりたい」
 ―普天間返還合意当時と比べ、今の政治責任の在り方をどう考えるか。
 「具体的な内容に沿って政治交渉を行ってきたか点検する必要がある。米側は海兵隊を少ない兵力で多面的に移動しながら、従来より積極的に展開できる方向に確実にかじを切っている。その戦略と、辺野古が唯一とする政府の考え方が適合するのかは多くの専門家が指摘している」
 ―沖縄の声が聞き入れられていない。
 「日本全体の7割の米軍専用施設面積を押しつけられている側の声がどう届いているか、国民にも問うべき。世論調査でも、政府姿勢に疑問を持っている人は少なくない。政府が辺野古が唯一という考えに固執するのが正しいのかという政治的責任も問われる」
 ―打つ手はあるのか。
 「例え国が工事を進めても、法定受諾事務の手続きにのっとり、県知事に求めなければならない変更承認はたくさん出てくる。手だてがなくなったわけではない。厳正に検討を重ねていくことが可能だ」
 ―代執行から2週間ほどで着手。たたみかけるよう手続きを進める国の対応については。
 「正直な感想として、たたみかけるように工事を進めることで諦め感を醸し出そうという考えがあるなら大きな間違いだ。事務的手続きが進んでも、多くの県民は辺野古新基地建設反対の民意を明確に示している。それを軽んじては、日米安保体制にも大きな影響が及び続けると懸念せざるを得ない。しっかりと受け止めてほしい」