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【地図あり】対馬丸、海中で再調査へ 2025年度、水中ドローン使用念頭 記念会「遺品引き揚げを」<沖縄戦80年>


【地図あり】対馬丸、海中で再調査へ 2025年度、水中ドローン使用念頭 記念会「遺品引き揚げを」<沖縄戦80年> 1997年12月に海底で確認された対馬丸の船名。船首右部にあり、右から「對馬丸」と読める(JAMSTEC提供)
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 【東京】1944年8月22日に米潜水艦の攻撃で学童疎開をする児童などを含む1484人(氏名判明分)が犠牲になった対馬丸事件について、政府が2025年度に船体の水中調査を検討していることが18日、複数の政府関係者への取材で分かった。関係者によると、水中ドローンの使用が念頭にある。関連予算を25年度沖縄関係予算の概算要求に計上する方向で調整を進めている。対馬丸撃沈から80年、対馬丸記念館(那覇市)の開館20周年の節目に合わせた事業に位置付ける。 

 対馬丸を巡っては1997年に位置確認調査が実施された。現在、技術などが発展していることも踏まえ、あらゆる角度から調べることで立体的に船体や周囲の状態を把握する狙いがある。調査の結果は対馬丸記念館の展示にも反映させる見通し。対馬丸記念会は遺品の一部などを引き揚げることも希望している。

 対馬丸記念会の高良政勝理事長らが18日、内閣府に自見英子沖縄担当相を訪ね、対馬丸の水中調査などを要請した。高良理事長は「親やきょうだい、友達が乗っていた対馬丸が今どういう状態なのか視覚的に捉えてご遺族に披露できれば(いい)と思っている」と語った。自見担当相は「要請を大変重く受け止めたい。しっかりと検討していく」と答えた。

 対馬丸記念会は要請書で、撃沈後に犠牲者や生存者が流れ着いた鹿児島県・奄美大島の宇検村住民と、生存者や遺族との交流事業の推進も求めている。自見担当相は8月22日に開催される慰霊祭・式典にも招待され、出席する意向を示した。

 政府は6月に閣議決定した経済財政運営の指針「骨太の方針」に対馬丸事件の継承を念頭に「平和学習の充実」を掲げて「国家戦略として総合的に推進する」と記載していた。 

(明真南斗、嘉数陽)