父から継承した「秘伝だし」、深み増す家庭料理 寿恵味(浦添市)<うちなー味まーい>106


父から継承した「秘伝だし」、深み増す家庭料理 寿恵味(浦添市)<うちなー味まーい>106 秘伝だしが味わい深いオリジナルメニュー「牛肉野菜」(900円)
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 浦添市役所の斜め向かいにある「寿恵味(すえみ)」は、地域の人々やタクシードライバーに愛される大衆食堂だ。県外で修業を積み、本島のホテルで料理人として働いた初代店主・稲嶺剛さんが1979年2月に開店した。剛さんが2010年に亡くなった後は、妻の昌江さん(75)と、息子の昌彦さん(39)が、剛さんの味を継ぎ、店を切り盛りする。

「父の味を継いでいきたい」と話すオーナーの稲嶺昌彦さん=10日、浦添市安波茶

 「豆腐チャンプルー」(750円)や「煮つけ」(800円)「ソーキ汁」(900円)など、20種類余りのメニューがあるが、いずれも値段は1000円以下。野菜は、昌江さんが、中城村の農産物直売所まで直接買い付けに行き、豆腐は市内の業者に注文しており、新鮮で滋味深い。こだわりはいずれのメニューにも使い、剛さん開発の「秘伝だし」だ。2種類の豚骨などを煮込んで作る。

 中でも店のオリジナルメニュー「牛肉野菜」(900円)は、牛肉と、ピーマンやにんじん、たまねぎなどの多様な野菜に、とろみの付いた秘伝だしが絡み、味わい深い。

 昌彦さんは「父が考え、培ってきた味や雰囲気を第一に、お客さんの要望に応えていきたい」と話す。昌江さんは「息子も手伝ってくれて、心強い。お客さんの『おいしい』の一言のために、続けていきたい」と優しくほほ笑んだ。

 営業は午前11時~午後5時ごろ。定休日は日曜日と月曜日。駐車場あり。全品持ち帰り可。浦添市安波茶2丁目20の5。電話098(879)0647。

 (藤村謙吾)