ジュースの自販機、子どもは無料！　那覇市辻のちゃんこ鍋店が設置　オーナーは元朝青龍のマネジャー「沖縄に恩返し」

　【那覇】那覇市辻の飲食店「あぐー豚ちゃんこ鍋　美食蔵部（びしょくくらぶ）」が、子ども向けに実質無料で飲料缶を購入できる自動販売機を店舗前に設置している。美食蔵部オーナーの一宮章広さん（45）は「子どもならいつでも自由にジュースを取ってほしい。飲み物のリクエストも待っている」と語る。飲料缶の購入は1人1日1本までとして、大人の購入は控えるよう呼び掛けている。

　那覇市社会福祉協議会によると、子どもを対象にした無料自販機の設置は県内初とみられる。自販機の機能上、飲料の購入には現金10円が必要だが、店舗の営業時間（午後5時半～同10時）内に店舗スタッフに空き缶を手渡せば10円を返却する。無料で購入できる飲料は炭酸飲料「C．C．レモン」など3種類で、それ以外は通常料金となっている。

　2020年4月にオープンした美食蔵部は翌月から子どもの居場所として、少なくとも月に1回の頻度で、近隣の子どもらに弁当を配布している。一宮さんは「沖縄の人にいろいろ助けられた。恩返しのためにやっている。今回の取り組みが全国に広がってほしい」と語った。

　一宮さんの父は6代目高砂親方（元小結富士錦）で、一宮さん自身は沖縄に来る前は東京で元横綱朝青龍のマネジャーなどを務めていたが、体調を崩し、20年に沖縄に移住した。

　今回の自販機には一宮さんの取り組みに賛同した県内外の企業26社が協賛企業として資金援助している。協賛企業の中には、一宮さんの父の弟子だった元大関のKONISHIKI（小錦）さんの会社「KP」も名を連ねている。

　自販機はミナミ商事（南風原）が設置。2月からは同社が自販機の運営を担う。自販機の設置場所は那覇市辻1の4の10。問い合わせは電話090（7739）1149（一宮）。

　（吉田健一）