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輸送人員減で経営悪化、物価高騰が追い打ち 本島バス2社が運賃値上げへ 消費税率改定を除くと2008年以来 


輸送人員減で経営悪化、物価高騰が追い打ち 本島バス2社が運賃値上げへ 消費税率改定を除くと2008年以来  那覇市内のバス停(資料写真)
この記事を書いた人 Avatar photo 謝花 史哲

 乗客の減少や経費の増加などで収支状況が悪化していることから、琉球バスと那覇バスが10日までに、運行する路線バスの運賃値上げを決めた。一方、那覇バスは市内通学定期運賃は値下げを計画する。4月1日実施予定で、昨年12月28日に沖縄総合事務局に上限運賃変更認可申請を提出した。改定された場合、消費税率改定を除き、2008年12月以来の値上げとなる。

 申請によると、平均改定率は13・5%。両社いずれも市外線初乗り運賃が現行160円から190円に値上げを予定する。那覇バスは市内線240円から260円に改定。市内通学定期運賃は子育て世代の家計費負担を考慮し、1カ月7200円から6500円、3カ月2万520円から1万8530円に引き下げる。市内通勤定期は1カ月8400円から9100円に引き上げる。

 琉球バスは通勤定期で1カ月6720円から7980円に改定し、通学定期運賃については1カ月5660円から5700円、3カ月1万6130円から1万6250円と通勤定期と比較して値上げ幅を抑制している。

 両社は、新型コロナウイルス感染症の影響などさまざまな社会情勢の変化を受け、輸送人員が減少するなど経営が悪化。一方、バス車両や関連施設などの更新、設備投資に加え、今後も燃料費や自動車部品の価格高騰が見込まれるという。厳しい経営環境下で安定した輸送サービスを提供するためには「運賃改定による収支改善が必要と判断した」と申請理由を説明している。

(謝花史哲)