県文化観光スポーツ部は25日、2023年度の観光収入(速報値)が過去最高の8563億円だったと発表した。前年度比20%(1429億円)増加した。コロナ前で入域客数が過去最多の1千万人を超えた18年度の約85%まで回復する中、全国旅行支援による需要喚起で消費単価が高いリゾートホテルの宿泊増加や、物価上昇などが影響した。人泊数も18年度比で5万人泊増の2595万人泊となった。
観光客1人当たりの観光消費額は10万362円で、目標としていた9万3806円を上回った。18年度比で観光客数は少ないものの、人泊数は増加しており、観光客の滞在が長期化しているとみられる。
県文化観光スポーツ部は同日、24年度の目標値も発表した。観光収入は過去最高の8987億円、人泊数は2870万人泊(平均拍数3・31泊)を目指す。観光客1人当たりの観光消費額は9万4302円と前年度を下回るものの、高い水準を見込む。入域観光客数は国内客734万人、外国客219万人の953万人と推計した。
24年度の施策展開には、国内・海外の旅行需要を取り込む誘客活動、大型MICE施設整備などを核とした戦略的なMICEの振興、スポーツアイランド沖縄の形成など、七つを掲げる。
新規事業として、5億7500万円の予算で、無人化・省人化の取り組みや、県外などから観光人材の受け入れ促進を支援し、観光業界の人材不足に対応する。観光業界の魅力発信や職業体験イベントを開く観光人材確保支援事業に2億1100万円を計上するなど施策を展開し、観光収入の最高値更新を目指す考えだ。
(與那覇智早)