クーガ芋粉末、加工で特許 糖質抑制に期待も 沖縄テレビ開発「食品開発の幅広がる」


クーガ芋粉末、加工で特許 糖質抑制に期待も 沖縄テレビ開発「食品開発の幅広がる」 クーガ芋の機能成分濃縮技術で特許取得した沖縄テレビ開発の(左から)比嘉大輔氏、大田直也社長、新里一樹取締役=29日、那覇市泉崎の琉球新報社
この記事を書いた人 Avatar photo 島袋 良太

 放送番組の企画・製作やヘルスケア事業などを手掛ける沖縄テレビ開発(大田直也社長)は29日、沖縄在来の山芋「クーガ芋」(トゲドコロ)の乾燥粉末を作る際に、余分な糖質や粘性物質は除去し、機能成分「ジオスゲニン」を濃縮加工する技術で特許を取得したと発表した。糖質の過剰摂取の抑制に期待ができるほか、既に開発しているサプリメントに加え、飲み物やライトミールなどの新商品開発に弾みが付くとしている。

 ジオスゲニンは、男性ホルモンや女性ホルモンの材料となる「DHEA」と類似した分子構造を持つ。沖縄テレビ開発と立命館大学スポーツ健康科学部の家光素行教授による臨床試験では、運動をしながらジオスゲニンを摂取すると、運動だけの場合に比べて筋肉の量や筋力がより増える有意差が確認されたという。

 製造手法は2020年に特許出願し、今年7月に登録された。この技術を用いて新里酒造(沖縄市)と沖縄ウコン堂(宜野湾市)に製造を委託し、サプリメント「レキオム」を昨年7月から発売し、パーソナルジムや鍼灸(しんきゅう)院、整骨院などで販売している。

 大田社長は「特許を取得した技術で商品開発の幅も広がる。生産者だけでなく1次、2次、3次加工の皆さんにも励みになる」と喜んだ。

  (島袋良太)