沖縄総合事務局財務部が12日発表した沖縄管内の7~9月の法人企業景気予測調査は、前期(2024年4~6月期)と比較した景況判断指数(BSI)がプラス26・1で、現行調査が始まった04年以来で最高値だった。観光のハイシーズンで人流回復やイベント開催、受注拡大が「上昇」超幅の拡大に寄与した。人手不足感は続いており、背景に「2024年問題」や賃上げに伴う「年収の壁」を指摘する声もある。
BSIは前期と比べた景況判断が「上昇」と回答した企業の構成比から、「下降」を引いた指数。例年、観光を中心に繁忙期となる7~9月期はBSIが高い傾向がある。
コロナ禍から経済活動の再開や観光需要回復、価格転嫁による売上高増加もあって製造業、非製造業共に「上昇」超幅が拡大した。
一方で、雇用の過不足を示す従業員数判断BSIは47・3の「不足気味」超で、過去3番目に高い水準だった。宿泊・飲食を含むサービス業を中心に幅広い産業で人手不足感が広がり、受注機会の逸失を引き起こしている。
不足感の上昇は一部業種で時間外労働の上限規制が厳格化された「2024年問題」や、手取り収入が減るのを避けるため就業時間を調整する「年収の壁」の影響も要因となっている。
先行きは、10~12月期の景況BSIがプラス1・7、25年1~3月期にはマイナス0・9と「下降」超に転じる見通し。ただ、先行きの不透明感から「不明」と回答する企業も多かった。
(當山幸都)