帝国データバンク沖縄支店は12日、今年7月の調査で県内企業のコスト上昇分に対する価格転嫁率が過去最高の45・9%だったと発表した。24年2月の前回調査から7・9ポイント上昇した。自社商品やサービスの価格にコスト上昇分を「多少なりとも転嫁できている」と回答した企業は72・0%で過去最高となり、価格転嫁が全業種で幅広く進展しているとみられる。
ただ依然として資源高や人件費の増加は経営を圧迫。45・9%の数値はコストが100円増加した場合に45・9円を販売価格に反映できた計算で、現状はコスト上昇分の5割以上を各企業が負担している。
コスト上昇分の価格転嫁実施企業の内訳をみると、「2割未満」が16・0%、「2割以上5割未満」が14・7%、「5割以上8割未満」が21・3%、「8割以上」が14・7%、「10割すべて」が5・3%だった。
一方で、「全く価格転嫁できない」と回答したのは13・3%で前回調査より0・4ポイント減少した。 ヒアリングでは建設業から「公共工事で物価スライドの条件があり、その条件を満たせないため増額の調整ができず赤字工事に転嫁できない場合が多い」などの声が寄せられた。調査は7月18~31日、県内企業257社を対象に実施し、75社から回答を得た。
(当間詩朗)