県農林水産部は、ウリ科植物などに寄生して被害をもたらすセグロウリミバエの防除対策費として、県議会9月定例会で提出する補正予算案に1073万円を計上した。国内未定着の害虫である同種は今年3月以降、県内で寄生が初確認された。まん延した場合はウリ科果実の生産出荷に影響を及ぼす危険性があるため、緊急的な調査や防除が必要と判断した。
県によると、名護市、今帰仁村、伊是名村の調査用わな9地点で確認。8月末時点で33匹がわなにかかっていた。名護市と今帰仁村の畑や家庭菜園10カ所でヘチマやカボチャなどの果実への寄生も見つかった。
担当者は「一部地域で継続的に誘殺されているが、広がりは見せていない」と分析した。国外から飛来した可能性が高いが、具体的な侵入経路は分かっていない。
県が1993年に根絶宣言をしたウリミバエとは別種だが、同様にウリ科の果実などに寄生し、産卵するなどして実の腐敗を引き起こす。国内では確認事例の少なさから移動規制の対象には入っていない。県は、害虫が産卵するなど発生源となることから、取り残した果実を放置しないよう呼びかけている。
(新垣若菜)