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大型MICE「ホテルは必要」、別事業での意見も 入札不調の要因どう考える? 選定委の議事録公表 沖縄


大型MICE「ホテルは必要」、別事業での意見も 入札不調の要因どう考える? 選定委の議事録公表 沖縄 沖縄県庁
この記事を書いた人 Avatar photo 與那覇 智早

 県は8日、入札不調となった与那原町と西原町にまたがる大型MICE施設整備事業に関する事業者選定委員会の議事概要を公表した。入札不調の要因として、参画が有力視されていた大林組JVが落札する可能性が高いと多くの事業者が考えていたことを挙げた。また、委員からは事業者へのリスク軽減の取り組みが不十分であったとして「条件の変更や協議をいとわない姿勢を見せるべきだった」との意見もあり、ネックとされたホテル事業についても在り方を議論した。

 委員からはホテルが併設されない場合にはケータリングサービスの提供が必要となり、利便性に欠けることなどから、「ホテル自体は必要だ」という意見が多く、ホテル整備はやめるべきだとの意見はなかった。一方、「大型MICE施設とホテルの整備を別々の事業として公募することを検討すべきだ」という意見もあった。

 会議など大型イベントの開催日の稼働を前提としたホテル事業のリスクから、「ホテルと親和性の高い与那原マリーナなどの周辺コンテンツを生かし、東海岸の核となるホテル整備となることをアピールすべきだ」と提案もあった。

 コロナ禍で県内のホテルが増加したことを受け、東海岸でのホテル事業の成功可能性に関する事業者へのヒアリングが必要だとした。

 県はMICE需要は新型コロナウイルスの影響を受けて減退していたが、近年は対面形式での催事の需要が戻っていると説明。既存の県有MICE施設の老朽化を踏まえ、大型MICE施設の必要性を確認した。

 識者や町長など9人で構成される事業者選定委員会は9月20日に行われた。本来は事業者を選定する場として設けられたが、18日に入札不調となったことを受け、今後の事業検証の方法などを話し合った。県は今後、検証委員会を立ちあげ、年度内に2回の委員会を設けるとしている。

 (與那覇智早)