新型コロナウイルスの感染を防ぐ「緊急事態宣言」の延長に伴い、感染症対策費が上積みされ、県の貯金に当たる「財政調整基金」が底を突く見通しとなったことが8日、県財政課への取材で分かった。県が11日に県議会へ提出予定の2021年度11次補正予算案で、時短要請への協力金の県負担分として、約3億7千万円を財政調整基金から切り崩して充てるため、基金の残高が枯渇する。
11次補正予算は新型コロナ感染拡大防止に伴う緊急事態宣言の延長で、店舗への時短協力金の費用約334億円を計上する予定。県負担分約3億9千万円を財政調整基金を切り崩して充当するが、不足も出ており、予備費から約2311万円を支出して補う。
県の新型コロナウイルス対策には20年度以降、今回の11次補正予算案までで約4277億円を支出することになり、基金残高は激減している。財政調整基金残高は感染症拡大以前の19年度末は約229億円だったが、20年度末では約133億円に減少していた。
県財政課は本紙取材に、今後予備費が底をついた場合の対応として「昨年度からの繰越費の活用や、長期的には余剰資産売却などで財源を確保したい。国からの予算確保などに努めていきたい」と述べた。
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