沖縄防衛局へのサンゴ移植許可を撤回したと発表した玉城デニー知事と記者団のやりとりは次の通り。
―行政指導に防衛局はどう回答したか。
「『条件を順守しているので移植作業を中止しない』と回答があった。県は高水温期や台風が襲来する時期を避けるよう条件を付けている。サンゴの生残率を高める観点から今の時期は適当ではない」
―条件を順守していると防衛局が言う根拠は何か。
「私たちが出したものが法令上の根拠に基づいておらず、水温を含め作業当日の現地の状況を確認の上、適切に移植を実施しているので、違反の認識はないということだった。われわれの認識と隔たりがある」
―時間を掛けず撤回した理由は何か。
「作業が確認された地区はサンゴの群体数が少なく、数日で作業が完了する可能性がある。サンゴの生残率低下が強く懸念され、水産資源の保護という本来の目的を達成するのが非常に困難になる。直ちに作業を止める必要があった」
―水温が下がっており直近で台風もない今、数日なら問題ないのではないか。
「移植しても台風の波浪でサンゴが取れてしまう可能性が高い。これから海水温が高くなれば白化現象を起こす。800群体全てが生き残れないかもしれないと危惧した」
―サンゴ移植を巡る防衛局の対応が設計変更の審査に影響するか。
「別の話だ。設計変更は別の公有水面埋立法にのっとって審査しており、直接的に関係ない」
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