1971年8月15日、米国のニクソン大統領が新たな経済策として金とドルの交換停止などを宣言し、「ニクソン・ショック」として世界を衝撃が駆けめぐった。宣言で基軸通貨ドルの国際信用は失墜し、1ドル=360円の固定相場制は事実上終わりを告げた―。
ニクソン・ショックから50年。翌72年に米国から日本へと施政権が返還されることが決まっていた当時の沖縄は、大きな混乱に陥った。変動相場制への移行で円が切り上がることは、沖縄住民が蓄えてきたドル資産が日本復帰時に目減りすることにつながる。沖縄経済は混乱し、復帰のはざまで社会不安が渦巻いた。事態打開を迫られた琉球政府は、日本政府との水面下の交渉に奔走する。
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