金武町長、キャンプ・ハンセン外出禁止求める 米軍のコロナ集団感染 松野官房長官に


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報道陣の取材に答える松野博一官房長官=19日、嘉手納町の沖縄防衛局

 松野博一官房長官は兼務する沖縄基地負担軽減相として来県し、新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が発生した米軍キャンプ・ハンセンなどを19日、視察した。同基地を抱える金武町の仲間一町長らは松野氏に対し、基地内の感染拡大防止策や同基地隊員の外出禁止などを申し入れた。松野氏は地元自治体の不安解消に取り組む考えを示す一方、同基地隊員の外出禁止要請などには言及しなかった。面会後、報道陣に明らかにした。

 松野氏は、同基地に隣接する金武町、恩納村、宜野座村でつくる「キャンプ・ハンセンに関する三町村連絡協議会」(三連協)と恩納村内で会談した。会談は報道陣に非公開だった。首長らは在沖米軍の新型コロナ対策として、米軍関係者入国時の水際対策徹底や、基地従業員の感染防止策、従業員家族のPCR検査の実施などを求めた。

 松野氏は視察終了後、沖縄防衛局で会見し、地元自治体の要望について「政府も地元の方々に不安が生じることは十分に理解をしている」と述べた。米側に厳格な隔離措置や濃厚接触者の特定、同基地の感染拡大防止措置などを要請したと説明。「各種要請に米側からは緊密な協力が得られている。地元の不安解消に向けて最大限努力する」と強調した。

 三連協側は、金武町内の水道水源から国の暫定指針値を超える有機フッ素化合物(PFAS=ピーファス)が検出された問題についても、国による原因究明や住民の健康調査などを要請した。

 松野氏の沖縄入りは11月に続いて2カ月連続。19日はこのほか、恩納村内で軽石の漂着状況を視察し、當山宏嘉手納町長と防衛局で会談した。

 當山町長は、嘉手納基地の(1)夜間飛行禁止など航空機騒音規制措置の厳守(2)元駐機場「パパループ」の騒音防止対策(3)航空機排ガスの悪臭防止対策―を要請した。

 當山町長は報道陣の取材に「人口減少や産業振興の難しさも(町面積の)82%を基地が占めていることに起因する。悪臭や騒音など問題の解決が急がれると話した」と説明した。(塚崎昇平、写真も)


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