在沖米軍基地でオミクロン拡大か 知事、米兵異動停止要求へ


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米軍キャンプ・ハンセンからの外出禁止などを求めると発表する玉城デニー知事=20日午後、県庁(代表撮影)

 玉城デニー知事は20日、新型コロナウイルスの新変異株、オミクロン株の感染者が米軍キャンプ・ハンセンの基地従業員などから相次いで確認されたことを受け、在沖米軍トップの四軍調整官ジェームズ・ビアマン中将と小田原潔外務副大臣に21日午前に電話で申し入れをすると発表した。ハンセンからの外出禁止や本国からの異動停止などを求める。玉城知事は「国立感染症研究所の専門家からは、基地内でオミクロン株の感染が広がっている恐れがあるとの意見もある」と説明した。

 申し入れる内容は(1)米本国などからの軍人・軍属の異動停止(2)ハンセンの全軍人・軍属へのPCR検査実施(3)在沖米軍の健康保護体制のレベル引き上げとハンセンに勤務する全軍人・軍属の基地外への外出禁止(4)変異株検査体制の早期構築―の四つだ。

 玉城知事は23、24日にかけて県軍用地転用促進・基地問題協議会(軍転協)で上京し、政府に緊急要請する方針だ。

 県は22~24日、金武町内に臨時のPCR検査場を設置し、ハンセン周辺の飲食店従業員らに検査を実施する。

 政府はオミクロン株の水際対策として、外国人入国禁止措置を実施しているが、米軍関係者は日米地位協定に基づき、米本国から直接在日米軍施設に入ることが可能だ。在沖米軍では直近1週間で186人の感染があったという。

 玉城知事は県内4例目のオミクロン株感染が確認されたことも説明。「オミクロン株による感染が基地の従業員や周辺住民をはじめ県内へ拡大すれば、県民の心身を脅かし、今までの懸命の努力を水泡に帰すような事態を招くことになり、絶対に看過できない」と強調した。(梅田正覚)


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