沖縄県は19日、新型コロナウイルスで入院調整が必要な患者を一時的に受け入れる入院待機ステーションを那覇市の県有地に新たに開設した。プレハブをリースしたもので、病床数25床で始めた。21日には病棟を1棟増設して50床に、3月中には100床に拡張する。年度末を控えて県内外の人の移動が増えることが予想される中、県感染症対策課の當山慎医療体制整備班長は「感染が再拡大した場合に迅速に活用できる」と意義を語った。
病棟4棟と管理棟、会議・休憩棟の計6棟で構成する。県が11月から整備を進めてきたもので、費用は6億円。中南部からの患者受け入れを想定している。
県はこれまでも他団体の施設を使って待機施設を運用してきたが「いったん休止すると再開に時間がかかる」(當山氏)のが課題だった。県施設とすることで柔軟に運用できる特徴がある。
現段階で医師1人、看護師6~7人、事務員3~5人が常駐する。
新施設は患者の血中酸素濃度や心拍数などの情報を遠隔で確認できる。酸素投与量も遠隔で調整できる。停電時も酸素投与が継続できるよう供給源に液体酸素を気化させ活用する。
施設は自宅療養者などのうち救急搬送が必要になった人を一時的に受け入れる役割がある。
感染拡大時には医療体制がひっ迫し、すぐに入院できないケースがある。
感染状況が落ち着いた現在でも1日あたり1、2人の利用がある。入院調整が整うまでの間も、酸素投与など必要な医療を提供する狙いだ。
同日は、患者の搬送を想定したシミュレーションも行われた。
新施設開設に伴い、本島南部の既存施設は同日で閉じた。
(知念征尚)
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