牧志公設市場の衣料部・雑貨部が閉場 庶民の暮らし支えて70年 


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閉場した店舗のシャッターが下りる様子を見つめる関係者ら=28日、那覇市牧志(喜瀨守昭撮影)

 沖縄県那覇市の平和通りにある牧志公設市場衣料部・雑貨部が28日に営業を終え、衣料部前で閉場式が催された。両部は戦後の闇市の整理を出発点に、市が1951年に開設した。82年に現在の建物に改築された。冠婚葬祭用の着物や日用雑貨などを販売し、庶民の暮らしを支えた。

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  両部の建物は市が所有しているが、土地は民間から借りている。市は借地契約が満了する2021年度末に向けて両部の在り方を検討。城間幹子市長が同年2月に「時代の変遷とともにその役割が民間に移った」として廃止を表明した。同年9月に市議会で市場を廃止するための条例改正案が可決された。

 市によると、82年には両部に計200ほどの事業者が入居していた。閉鎖表明時点で30弱の事業者となっていた。閉鎖に伴い少なくとも約10業者が移転したという。中には廃業する事業者もいる。

 閉場式で、城間市長は「長きにわたり衣料部・雑貨部を支えていただいた皆さまの笑顔と、お客さまとのやりとりが一番の宝物だった」と事業者に感謝した。

 市が所有する建物は企業に有償譲渡される予定。(伊佐尚記)


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