承認勧告の判断、県が見送りへ 辺野古「期限内に精査できず」 新たな法廷闘争も


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 米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設で、沖縄防衛局が申請した大浦湾側の軟弱地盤改良工事に伴う設計変更を不承認とした県に対し、国土交通相が20日までに承認するよう勧告した件で、県が期限までの判断を見送る方向で調整していることが、18日、分かった。県関係者によると、設計変更を不承認とした県の行政処分を取り消す裁決の内容を期限内に精査できないことなどが理由だという。

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 地盤や環境の調査不足などから防衛局申請を不承認とした県は、設計変更を承認するよう求める勧告には応じない構え。県が期限内に判断しないことで、国が強制力のある是正指示に踏み切るかが焦点となる。国が是正指示に踏み切った場合、県は国地方係争処理委員会に申し立て、その後に法廷闘争へ移行する展開が想定される。

 新基地建設を巡っては、辺野古崎周辺のサンゴ移植許可に関する国と県のやり取りで、同様の経緯をたどったことがある。農相が県に防衛局が申請したサンゴ移植を許可するよう指示し、県が不服として係争委を経て訴訟に至った。2021年7月に最高裁は県の上告を棄却し、農相の指示が確定したが、裁判官5人中2人が県の見解を支持する反対意見を付けた。

 沖縄防衛局は20年4月に県に設計変更を申請し、県は21年11月に不承認にした。県の判断を不服とする防衛局は同年12月に行政不服審査法に基づく審査請求を国交相に申し出た。国交相は今月8日、防衛局の請求を認めて県の判断を取り消し、県に承認するよう求める勧告を出していた。

 8日に勧告が出て以降、県は対応の検討を進めてきた。期限内の判断を見送る場合は、その旨を国側に通達する方針。(塚崎昇平)


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