以前は夏頃から開設されていた沖縄県内小売店のランドセル売り場が、近年は通年で設置されている。大手小売店では既に2023年モデルの予約販売が始まっている。小売店にとってランドセルは確実に利益が見込める商品だ。新入生は毎年一定数おり、ほぼ全員がランドセルを購入する。加えて高単価だ。各店とも売り場を一等地に構え、早期予約に特典をつけ客を取り込もうとしのぎを削っている。
>>まだまだきれいなランドセルを格安で 購入困難な家庭に販売
ランドセル商戦は全国的に年々早まっている。数年前まで、県外は夏頃がピークだったのが、今は5~6月頃に。県内も年明けから9~10月頃に前倒しされている。
背景にはランドセルの多様化と生産体制の変化がある。以前は小売店が前もってメーカーから仕入れ、在庫から販売していたが、現在はほとんどのメーカーが受注生産としているため、納品まで一定の時間がかかる。
以前は赤と黒に限定されていた色はカラフルになり、デザイン、機能も多様化した。色の組み合わせや刺しゅうなどをカスタマイズすることも可能だ。生産工程が増え完成まで時間がかかるようになり、納品は半年後という商品もある。
イオン琉球商品本部キッズマネージャー兼ステーショナリーバイヤーの神里徹さんは「人気の商品は早めに売り切れてしまう。県外の商戦が早まるのに引っ張られる形で県内も早くなっている」と説明する。
では、商戦の終期はいつなのか。神里さんは「入学式直前まで購入者がいる」と明かす。シーズンの終わり頃になると価格が安くなることから、見本品を狙って購入する人も少なくないという。サンエーの担当者は「さまざまなニーズに応えるため、長期間展開している」と話す。
両社とも今年の入学式の4月上旬までは22年モデルを販売し、4月中頃から23年モデルの販売を始めた。商品は切り替えたが、売り場は縮小せずそのまま展開している。
(玉城江梨子)
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