沖縄セルラー電話の菅隆志社長と山森誠司専務は4日午後9時、那覇市の本社で急きょ会見し、通信障害の発生を陳謝した。2日未明から続く通信障害はほぼ復旧したものの、確認作業は5日以降に持ち越しとなり、「完全復旧」を宣言できないままの謝罪会見となった。
>>KDDI障害「ほぼ復旧」 沖縄セルラー社長が謝罪 県内最大65万回線に影響
「通信事業者として非常に重要なインフラを提供している。ご迷惑をお掛けしたことを深くおわびする」。菅社長と山森専務は神妙な面持ちで深々と頭を下げた。同社は県内でシェア5割超を誇る最大手。影響を受けなかったタブレットなどのデータ通信機器を除いても契約件数は約65万件で、補償責任も同社が負う可能性がある。
県内でデータ通信がほぼ復旧したのは障害発生から約53時間後の4日午前7時、音声通話がほぼ復旧したのは約62時間後の同日午後4時だった。その間、コールセンターへの950件の苦情のほか、店舗にも人が詰めかけた。
トラブルは親会社のKDDIが所有する県外のコア設備で発生した。県内の無線基地局やネットワークセンターを所有する沖縄セルラー電話は、KDDIと連携しながら、端末がつながるかどうかの確認作業に追われた。
菅社長は「コア設備の障害に直接手を下すわけにはいかないが、私たちはお客さまと一番近いところにいる。情報を察知し、連携を取りながら1秒でも早く復旧に努めていきたい」と述べ、信頼回復を誓った。
(稲福政俊)
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