【宜野湾】米軍基地由来とみられる有機フッ素化合物(PFAS)が土壌を汚染している可能性があるとして、宜野湾ちゅら水会(宮城優代表)が15日、米軍普天間飛行場に隣接する普天間第二小学校の、グラウンド周辺の土壌調査を実施した。分析を依頼する県環境科学センターの職員が市教育委員会立ち会いの下で3カ所の表層を掘って、約500グラム採取した。分析結果は3~4週間後に判明する。
同会はこれまでに市や県、県議会などに土壌調査を要請した。県や市ではPFASの土壌基準値などが明確でないことを理由に実施に至っていない。県は7月の県議会で実施を検討する意向を示したが、具体的な時期や場所の見通しは立っていない。
同会は独自で県環境科学センターに依頼し、今回の調査に至った。採取は、高低差から雨水が流れていたと予想される返還前の旧道に沿った3カ所で行われた。同会のメンバーの照屋正史さんは「0であれば良いが、何らかの数値があがれば、この調査をきっかけに市、県、国が動いてほしい」と訴えた。
採取に立ち会った市教育委員会の松本勝利指導部次長兼学務課長は、今回は市の調査ではないことを前置きした上で「(もし検出された場合は)県の対応を踏まえながら、市として今後の対応を調整したい」と語った。
宜野湾ちゅら水会では、分析にかかる約25万円の寄付を募っている。受付先は沖縄銀行普天間支店 普通口座 1892529
(新垣若菜)
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