【宜野湾】2017年12月13日に発生した宜野湾市の普天間第二小学校への米軍大型輸送ヘリの窓落下事故でついて、事故機の乗組員が窓の落下する様子を見ていたにもかかわらず、普天間飛行場に帰還した後、ただちに新しい窓の取り付け作業を行っていたことが9日分かった。米軍関係者は事故後に窓の落下現場を訪れておらず、機体の復旧を優先した。琉球新報が米国の情報公開制度で入手した在沖米海兵隊の事故報告書で判明した。報告書には窓の取り付けに関して「すぐに出発できるように」と事故後の即時訓練再開を思わせる記載もあった。
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報告書は事故原因についても記述。飛行前に緊急脱出用の窓のレバーと機体の両方に取り付けられている「安全ワイヤ」が適切に固定されず、レバーが緊急脱出の位置に動いた可能性が高いとして「人為的ミス」と結論付けている。
当該機体は普天間飛行場を離陸後、高度228㍍まで上昇したところで窓が吹き飛び、落下していく様子を乗務員らが確認している。乗務員らは「飛行場の北側の30~40人ほどの人がいるサッカー場に窓が落ちるのが見えた」などと証言しており、落下地点の様子も分かっていた。
窓は約90センチ四方で重さ約7・7キロ。体育の授業中で約60人がいた普天間第二小のグラウンド中央に直撃。児童までの距離は10㍍ほどで、衝撃音と同時に砂ぼこりが舞い上がり、破片も飛び散るなど、現場は騒然となった。(新垣若菜)
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