沖縄県議会(赤嶺昇議長)は30日、2月定例会最終本会議を開いた。政府が安全保障関連3文書で示した南西諸島における防衛力強化方針を巡り、「抑止力」向上ではなく、外交と対話による平和構築を求める意見書案を、与党と中立会派の無所属の会の賛成多数で可決した。昨年12月閣議決定の安保関連3文書における防衛力強化方針に対し、都道府県議会が懸念を示した意見書の可決は初めてとみられる。
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意見書は自民が反対し、公明と無所属の照屋守之氏は退席した。意見書の宛先は首相や衆参両院議長など。意見書では抑止力の強化が地域の緊張を高めるなどとし「南西地域へのミサイル配備など軍事力による抑止ではなく、外交と対話による平和の構築に積極的な役割を果たす」ことを政府に求めた。
また、防衛力強化が中国を念頭に進められているとした上で、日中両国の経済的なつながりの深さを指摘。両国で確認されてきた諸原則の順守と友好関係発展による問題解決も日本政府に求めた。
野党の自民会派は、抑止力向上と周辺国との対話継続・外交政策の推進を政府に求める意見書を対案として提案したが、与党意見書の可決により議決不要とされた。
(大嶺雅俊)
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