「慰霊の日」の23日朝、沖縄戦の激戦地とされる糸満市米須にある魂魄の塔や糸満市摩文仁にある平和の礎には、沖縄戦犠牲者の遺族やゆかりのある人々が多く訪れ、花や食べ物を供えたり、手を合わせたりした。
沖縄戦終結から78年になる現在も、ロシアとウクライナで戦争があり、南西諸島などで軍事力強化の動きが加速する状況に、人々からは「平和な世界になってほしい」などの願いが聞こえた。
23日早朝、曇り空に時折の晴れ間が差し込む天候だった。午前8時頃、70歳の男性は妻と9歳の孫と共に、敗戦直後の1946年2月に建立された魂魄の塔を訪れた。米須地区に移転収容されていた真和志村(現在の那覇市)の人々が戦場の遺骨を収骨し、魂魄の塔に収めた。南部で祖母とおばを亡くしたという男性は最近の情勢に触れ「二度と戦争がないように願った」と語った。
1979年に摩文仁の国立沖縄戦没者墓苑に大部分が転骨されされるまで、魂魄の塔には約3万5000人の遺骨があった。
糸満市摩文仁の平和の礎でも、朝くから家族連れの姿があった。犠牲者の名が刻まれた刻銘板の前に花束や食料を供えた。
県、県議会主催の沖縄全戦没者追悼式は午前11時50分、糸満市摩文仁の平和祈念公園で始まる。新型コロナウイルスの規制緩和に伴い、4年ぶりに通常開催となる。
(西田悠)
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