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泡盛360本を譲り受ける 愛好家の大城さんから泡盛管理会社の瀬底さんへ 「継承に役立てたい」 きょう「古酒の日」


泡盛360本を譲り受ける 愛好家の大城さんから泡盛管理会社の瀬底さんへ 「継承に役立てたい」 きょう「古酒の日」 大城秀雄さん(右)と譲り受けた古酒を背景に写真に納まる瀬底明さん=8月29日、那覇市久米(喜瀨守昭撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 藤村 謙吾

 9月4日は「古酒(くーす)の日」。琉球新報に4月12日付で掲載された「集めた泡盛、約400種類」の記事を見た、瀬底明さん(72)=那覇市=が、同記事で紹介された泡盛愛好家の大城秀雄さん(72)から、大城さんの泡盛コレクション360本を譲り受けた。瀬底さんは、2021年に泡盛を管理する会社「古酒くーす屋」を設立し、相談役を務める。「泡盛文化を継承するために、古酒を手軽な料金で味わえる場所をつくりたい」と話す。

 瀬底さんは、ビル管理業を営む「元気」の代表も務める。管理するオレンジビル(那覇市)の立体駐車場を取り壊した際、跡地を泡盛の貯蔵庫として利用することを思い付いた。数年前から「将来古酒を楽しめる店を開ければ」と、6種類ほどの古酒を複数本購入して寝かせてきた。現在貯蔵庫に、7年以上の古酒が4千本、10年以上の古酒が500本あり、今後3、4年かけて8千本を集める予定だ。

大きな甕やステンレスタンクにも泡盛を貯蔵している瀬底明さん=8月29日、那覇市久米(喜瀨守昭撮影)

 大城さんから譲り受けた泡盛は、貯蔵庫の壁一面に広がる、自作した5段3列の棚に並べている。貴重な泡盛の数々は、将来開く店の看板として活用するという。

 大城さんは「一つ一つの泡盛に思い出があるが、あの世に持って行けるものではない」と、泡盛を集めた日々を懐かしむ。その上で「宝くじが当たれば、自分も泡盛好きのための店を開きたかった」と、瀬底さんの夢の実現を待ちわびる。

 瀬底さんは「相手が喜ぶ泡盛を提供し、古酒の良さを一人でも多くの人に知ってもらいたい」と話した。