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戦争体験の継承、発信を考える 沖縄平和賞シンポ ジャパンハートの嘉数医師と普天間ひめゆり館長が対談


戦争体験の継承、発信を考える 沖縄平和賞シンポ ジャパンハートの嘉数医師と普天間ひめゆり館長が対談 照屋義実副知事(前列中央)から表彰状を受け取った第3回ちゅらうちなー草の根平和貢献賞の受賞者ら=23日、那覇市の県市町村自治会館ホール
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 沖縄平和賞委員会は23日、第3回ちゅらうちなー草の根平和貢献賞表彰式を那覇市の県市町村自治会館ホールで開催し、1人・5団体を表彰した。2023年度沖縄平和賞シンポジウムを併せて行い、国際医療ボランティア組織ジャパンハート(第7回受賞)の嘉数真理子医師と、ひめゆり平和祈念資料館(第11回受賞)の普天間朝佳館長が対談し、戦争体験の継承や沖縄から世界へ平和を発信するために必要なことを考えた。

 カンボジアで現地スタッフと協力して小児がん患者の治療に取り組む嘉数さん。海外の活動で「相手をリスペクトすることを大事にしている」と話した。お互いの文化や考え方が違うのは当然で、言語が通じなくても表情や接し方で「尊重する・尊重されている気持ちは伝わる。徐々に信頼関係を培うとうまくいくようになる」と語った。

 普天間さんは沖縄戦の体験を次世代につなぐため「きっかけをつくるのは大人の役割」と強調。若い世代へのメッセージとして歴史を知り、身近な人に伝えることと同時に、民主主義において「沖縄を二度と戦場にしない政治家を選挙で選ぶことが大事だ」と語った。

 草の根平和貢献賞表彰式では、桃原農園、琉球フットボールクラブ、新垣ゆきさん(平和ガイド)、劇団石川ひまわりキッズシアター、向陽高展示ガイドグループ、読谷高の代表らに、照屋義実副知事から表彰状が手渡された。 

(座波幸代)