那覇市安謝福祉複合施設2棟の屋上にある消防設備の配管から、発がん性が指摘される有機フッ素化合物のPFOSとPFOAを含む水が漏れていたことが26日、市への取材で分かった。漏水を発見した7月18日中に止水し、8月2日に故障した部分を取り換えた。
漏水からは1リットル当たりPFOS85ナノグラム、PFOA11ナノグラムが検出された。政府が水道水などに定めた暫定目標値1リットル当たり50ナノグラムを超えている。同施設の消火栓やスプリンクラーに水を送る地下の消防用水槽(水量62トン)からは1リットル当たりPFOS21万ナノグラム、PFOA5800ナノグラムが検出された。近年、消火設備は稼働していない。
同施設は1997年に建設され、消防用水槽はPFOSなどを含む泡消火剤300リットルを保管するタンクと連結していた。
2023年に市内公共施設で泡消火剤流出事故が発生したことを受け、市は同年11月に約600万円かけてタンクを撤去したが、同水槽に薬剤が漏れ出ていたという。
市は老朽化した消防設備の改修と合わせて、PFOSなどを含む消火用水の処分を専門業者に依頼する予定。
(嘉陽拓也)