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【記者解説】年齢の認識を巡り、信用性判断が焦点 米兵少女誘拐暴行事件公判 沖縄


【記者解説】年齢の認識を巡り、信用性判断が焦点 米兵少女誘拐暴行事件公判 沖縄
この記事を書いた人 Avatar photo 安里 洋輔

 年齢の認識が公判の争点となっていることから、米空軍兵の被告側は、実年齢を伝えて性暴行に対する拒絶の意思を示したという少女の証言を否定した。

 被告が問われている「不同意性交罪」は、性的行為の相手が16歳未満で、5歳以上年下の児童であることを認識した上で犯行に及ぶことが犯罪の構成要件となる。

 被告側は、この点も踏まえて無罪主張に沿う証言を重ねたとみられる。

 少女が被害にあったとされる性的暴行は、被告の自宅という「密室」で発生している。ジェスチャーで年齢を伝える少女と被告のやり取りが映っていたとされる防犯カメラ映像は重要な物証になるともみられたが、被告は「年齢を示す動作はなかった」と主張した。

 一貫して犯意を否定した被告だったが、主張には不可解な点もあった。

 被告は、少女と公園で接触した場面について、少女への当初からの性的興味を否定し、「(16歳未満と)聞いていればそれ以上会話を続けなかった」とした。しかし、年齢にこだわった理由を問われると言葉に詰まり、明確な答えを示せなかった。被告にどんな司法判断が下されるのか。裁判所が、食い違いを見せる少女と被告双方の主張の信用性をどう評価するかがポイントとなりそうだ。 

 (安里洋輔)