SNS詐欺被害10億円超、すでに昨年の3倍 一人で1億円超の被害も 投資被害の半数は20~40代 沖縄  


SNS詐欺被害10億円超、すでに昨年の3倍 一人で1億円超の被害も 投資被害の半数は20~40代 沖縄   イメージ
この記事を書いた人 Avatar photo 名嘉 一心

県内で認知した交流サイト(SNS)を悪用した投資詐欺とロマンス詐欺の被害件数が1月から8月までに合計80件、被害総額は約10億6千万円(暫定値)に上ることが県警のまとめで分かった。このうち3件は1億円を超える被害だった。2023年通年の認知件数(計43件)と比べると8カ月だけで件数は約2倍、被害額(約3億700万円)は約3倍となっている。前年を大幅に上回る深刻な状況だ。

 県警は「SNSの普及と、インターネットで手軽に投資できる環境が一般的になってきたことが被害の増加につながっていると考えられる」と分析する。その上で「実際に会ったことのない人から金の話をされたり、SNS上で『必ずもうかる』などと話を持ちかけられたりしたら、詐欺を疑い、警察に迷わず相談してほしい」と呼び掛けている。

 SNS型投資詐欺の被害者を年代別に見ると20代6人、30代5人、40代17人、50代18人、60代11人、70代2人、80代1人の計60人となっている。40~60代で7割以上を占めた。ロマンス詐欺は20代3人、30代4人、40代6人、50代2人、60代2人、70代3人で計20人。両類型ともに幅広い年代で被害が発生している。

 SNS型投資詐欺は、インターネット上の広告などを入り口として、投資家や著名人をかたる人物とつながることから始まり、架空の投資などを持ちかけられる。県警によると、犯人側がかたった職業は投資家が最多だった。

 SNS型ロマンス詐欺はSNSやマッチングアプリで出会った人物から、結婚資金の調達などを名目に暗号資産や架空の投資などを勧められる。いずれの詐欺も顔を合わせることなく、SNS上でやり取りを重ね、信頼や恋愛感情を利用して多額の金をだまし取るのが特徴だ。

 警察庁によると全国の1~7月の認知件数は計5967件(前年同期比4360件増)、被害総額は約779億1千万円(同603億1千万円増)となっている。

 (名嘉一心)