第11管区海上保安本部は2日、急患輸送のため石垣空港から波照間空港に向かった那覇航空基地所属のヘリコプターが同日午前1時25分ごろ、波照間空港付近の樹木に接触し、メインローターブレードや機体底面が損傷したと発表した。
同本部によると、1972年3月に始まった急患輸送業務中での事故発生は初めて。搭乗していた7人にけがはなかった。
接触事故から約4時間半後に石垣空港を出発した別のヘリが急患輸送し、午前7時すぎに石垣市消防本部の救急車に患者を引き継いだ。患者の容体に影響はなかったという。
11管によると、接触事故を起こしたヘリは那覇航空基地所属の「アグスタ式AW139」。通常から急患搬送に対応している機体だという。事故発生時の風速は約6メートルで、ヘリの運航に支障はなく視界も良好だった。
事故機は2日午後5時現在も波照間空港に駐機しており11管が事故原因を調べている。飛行再開の日程は未定だという。
波照間空港管理事務所によると、北側に伸びる滑走路の西側にあるギンネムの林で接触したとみられる。林の高さは航空機の運航に支障がある高さではないという。
11管は先島で急患輸送を開始してから3425人の急病者を輸送してきた。今年の人数は53人。