【本部】フクギ並木で有名な本部町の備瀬区で、宿泊用コテージを建設し、その運用益で同区内のフクギの保全を行う事業が計画されている件で、事業者側による住民説明会が1日、同区公民館で開かれた。事業者、区民や町関係者など60人以上が参加した。
事業者の説明によると、事業は内閣府の沖縄振興特定事業推進費民間補助金を活用する。区内の空き地・空き家を地主から借りて赤瓦木造の宿泊コテージを建設し30年運用、その収益をフクギ並木の枝打ちや落ち葉の清掃などの環境保全事業に充てる。30年の運用後は、コテージも含めて土地所有者に譲渡するとしている。現時点で区内8カ所の土地で賃貸契約の同意を得ているという。
コテージは30棟を予定していたが、内閣府との調整の結果、計画当初に環境保全事業の一環としていた道路整備などが事業メニューから外れたことで15棟に見直した。
同区では、区民の流出や高齢化でフクギ並木の保全が課題となっていた。一方で、観光客の増加による交通トラブルなども問題になっており、参加した区民からは「基本的には観光はもう嫌だ。住民とのバランスが取れていない」などオーバーツーリズムの加速化を危惧する声も上がった。
同区の喜屋武朝明区長は「コテージの説明は少なく、環境保全の話に終始していた。生活にも関わることなのでもう少し詳しい説明がほしい」と話した。
業者側は内閣府への事業申請に向け調整中だが、事業を認定する町は区との合意を前提としている。