玉城デニー知事「行政権限奪ってはならない」 辺野古代執行訴訟が始まる 沖縄県、新基地反対の民意を訴えへ 国は即日結審を要求


玉城デニー知事「行政権限奪ってはならない」 辺野古代執行訴訟が始まる 沖縄県、新基地反対の民意を訴えへ 国は即日結審を要求 辺野古代執行訴訟の第1回口頭弁論のため、裁判所に向かう玉城デニー知事=30日午後1時15分、那覇市樋川(小川昌宏撮影)
この記事を書いた人 琉球新報社

 米軍普天間飛行場移設に伴う沖縄県名護市辺野古の新基地建設問題で、大浦湾側の軟弱地盤改良工事の設計変更申請の承認を巡り、斉藤鉄夫国土交通相が玉城デニー県知事を訴えた代執行訴訟の第1回口頭弁論が30日午後2時、福岡高裁那覇支部(三浦隆志裁判長)で始まった。玉城知事が意見陳述し、新基地建設に反対する県民の民意の公益性などを訴えるとみられる。

 弁論前に開かれた集会で玉城知事は「(国は)県知事から地方自治の本旨を奪い、自分達の思い通りにコントロールしようとしている。行政権限を奪ってはならないと書いてあるのが憲法の地方自治の本旨だ。(国は)未来を埋め立てようとしているが、正々堂々と皆さんの思いを主張していく。慌てることなく、いばらの道を踏みしめて未来のために道をつくる」と強調した。

 2000年の地方分権改革で中央集権型の機関委任事務制度が廃止されてから、国が代執行訴訟を提起するのは、翁長雄志前知事時代の15年以来2度目。当時は裁判長から異例の和解提案があり、工事を中止して協議することを条件とした和解が成立。実際に代執行されれば初めてとなる。辺野古を巡る県と国の訴訟は14件目。

辺野古代執行訴訟の第1回口頭弁論の傍聴券の抽選結果を確認する大勢の人たち=30日午前11時11分、那覇市樋川

 国は、県が承認しないことで普天間飛行場の固定化回避という公益上の課題が達成されないなどと主張する。県は、新基地建設に反対する県民の民意が公益として考慮されるべきなどとして反論している。国は即日結審を求めており、一度の審理で結審して年内に判決が出る可能性もある。

 裁判所が国の請求に理由があると認めると、県に承認命令を出す。県がそれでも承認しない場合、国が承認を代執行し、大浦湾側の工事が着手されることになる。県は高裁で敗訴した場合も上告できるが、最高裁で逆転勝訴しない限り工事は止まらない。

 玉城知事は21年、沖縄防衛局の設計変更申請について、軟弱地盤の調査などが不十分なことを理由として不承認とした。この処分を巡る訴訟で、最高裁は9月に県の訴えを退け、県の敗訴が確定した。

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