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撤去せぬ可能性も 海上ヤード 「協議対象外」根拠なく 大浦湾着工


この記事を書いた人 Avatar photo 明 真南斗

 米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設で、防衛省は10日に着工した資材置き場(海上ヤード)が県との事前協議の対象外と判断している理由について、埋め立て承認申請書の中核である「設計概要」に記載されていないことや、基本的に撤去する予定であることを挙げた。仮設の構造物は協議対象とならないのが一般的だが、防衛省はヤードについて使用後も撤去せずに設置し続ける可能性を残している。

海上ヤードの設置に向けた、石材の投下作業=11日、名護市の大浦湾

 沖縄防衛局は県に提出した環境保全図書に「撤去するのか生物の生息場として存置するのかを改めて判断する」と記載している。防衛省担当者は「設計概要に記載されている護岸など」が協議対象だと説明するが、根拠となる明文はない。

海上ヤードの設置場所の地図。大型の箱(ケーソン)を置き、大浦湾埋め立て作業用の資材などを置く予定だが、作業終了後も撤去さずに使用し続ける可能性もあるという

 ヤードは護岸の造成に使う大型の箱(ケーソン)を置くために設置する計画で使う。護岸に関する事前協議が行われていない中で設置に着手したことは妥当なのかが問われる。県は協議の対象に当たるかどうか弁護士と協議している。

 一方、海上ヤード予定地の直下も軟弱地盤だが、防衛省は「地盤改良は必要ない」と判断した。

 (明真南斗)